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売上が増えても同じ1年とは限らない:13か月決算の比較を読む

決算期変更があると、前年比の分子と分母の期間がずれます。実際の注記と架空の月平均計算を分けて確認します。

公開:2026年10月16日 · 編集:ホジロブログ運営

この記事の内容
  1. 増減率より先に対象期間を見る
  2. 架空の数字で期間の影響を切り分ける
  3. 月平均に直せば正確になるわけではない
  4. EPSやPERへ進むときにも期間を引き継ぐ
  5. 注記を一文で残す

増減率より先に対象期間を見る

決算資料の「前期比増収」を読むときは、今期と前期がそれぞれ何か月なのかを先に確かめます。決算期変更などがあると、年次の決算でも12か月とは限りません。期間が違うままの増減率は、同じ長さの期間の成長率とは意味が異なります。

実例として、ダブル・スコープの2024年1月期決算短信には、2023年1月1日から2024年1月31日までの13か月決算であり、比較対象期間が異なるため対前期増減率を参考数値として記載するという注記があります。2024年3月14日公表の過去資料を使った読み方の例です。現在の業績評価や売買判断を示すものではありません。

架空の数字で期間の影響を切り分ける

次の会社Aは架空です。上の実在企業の売上を加工した表ではありません。

期間 売上の仮定 月平均を単純計算
前期12か月 120億円 120÷12=10億円
今期13か月 130億円 130÷13=10億円

総額だけの増減率は、130÷120−1で約8.3%増です。しかし、この仮定では月平均は同じです。「8.3%増」という計算そのものが間違いなのではなく、1か月長い期間を比べた数字だという条件が必要になります。

同じ120億円と130億円でも、両方が12か月なら別の比較になります。数値と一緒に開始日・終了日を書くことには、この違いを残す意味があります。

月平均に直せば正確になるわけではない

月割りは期間のずれに気づくための粗い計算です。繁忙期が特定の月へ偏る事業なら、追加された1か月の売上が平均的とは限りません。設備の立ち上げ、事業売却、価格改定などが途中にあれば、月平均でも同じ条件を比べたことにはなりません。

会社が同じ期間にそろえた比較値を開示しているなら、何を調整した数字か説明を読みます。開示がなければ「同じ期間への厳密な比較は未確認」と残し、13分の12を掛けただけの数字を会社の実績や予想として紹介しないようにします。

EPSやPERへ進むときにも期間を引き継ぐ

利益の対象期間が違うと、そこから作られた指標を比べる際にも注意が必要です。過去の1株当たり利益を使ってPERを計算する場合、その利益がどの期間のものかを確認します。単純な月割りで将来利益を予測できるわけではありません。赤字など、そもそも通常のPER比較が適さない場合もあります。

比較用メモには「期間」「連結か単体か」「実績か予想か」「会社が示す比較上の注意」の四欄を用意します。例えば同じ企業の資料でも、表の途中から翌期予想へ移るなら、実績の列へ混ぜないようにします。

注記を一文で残す

自分のメモや紹介文では、「今期は13か月、前期と期間が異なる。表示増減率だけで事業の伸びは断定しない」と添えるだけでも、後から読む際の誤解を減らせます。総額、月平均、同じ期間へ調整した会社開示値はそれぞれ別の数字です。どれを使ったかを明記してから、事業の中身の比較へ進みます。

参考資料

資料確認日:2026-10-16。本文の架空例・計算例・編集上の整理は、実際の調査結果や体験談と区別して示しています。

AIを調査・整理・執筆の補助に使用し、対応する資料と照合して作成しました。